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自転車通行ガイド 〜自転車のマナー向上を目指して〜

自転車の種類について

 

  ・「用途に合った自転車選び」
日本は「ママチャリ文化」といえるほどママチャリが浸透した国である。実際街中を観測すると、そのほとんどがママチャリ(シティサイクル)である。これは 日本の自転車を取り巻く交通事情に原因があるのだが、自転車はママチャリ以外にも用途に合わせて種類がある。(ママチャリだけが自転車じゃないよ。)


・ママチャリ(シティ車)
主婦(ママ)がスカートを履いた状態でも楽に乗れるようU字型のフレームを持ち、買い物に便利なカゴや泥除け、チェーンカバーを標準装備する日本でもっと もポピュラーな自転車。荷物の運搬能力や乗りやすさは高いが、安物は特に重たい素材を使うので車重がかなりあり、速度が出なく疲れやすい。近距離の買い物 や通勤向け。中には外装切り替えを(主に6段)装備するものもある。

 



・マウンテンバイク
スポーツ自転車で一番知名度が高い自転車。その名のとおり山道を走るための自転車でサスペンション、極太ブロックタイヤ、強力なVブレーキあるいはディスクブレーキを装備し、山道で活躍する。

・ロードバイク
舗装路を速く走るためだけに作られた自転車。軽量フレーム(アルミ、カーボン、チタン)と細身の高圧タイヤでペダリングがとても軽く、スピードも出る。特徴であるドロップハンドルはハンドルの理想形で、いろんなポジションを取ることができる。

・クロスバイク
マウンテンバイク+ロードバイクを足して2で割ったような自転車。構成するパーツによってロードバイク寄り、マウンテンバイク寄りになる。一般的には 700Cのロードバイク用のタイヤにマウンテンバイク用のブレーキと、ギアを装備する。フレームはマウンテンバイクに近いがサスペンションがあるものとな いものがある。サスペンションはあると乗り心地が良くなるがスピードが出ない。サスなしはこれの逆。近年の自転車ブームではクロスバイクが人気。

 

・電動アシスト自転車

最近話題の電動アシスト自転車。店頭やCM等で「坂道ラクラク」などのうたい文句で宣伝されている。確かに坂道では威力を発揮するが万能ではない。実は時速24km以上になるとどんな電動アシスト自転車でもアシストが止まるようになっている。時速12kmまでは人力:アシストが1:2で、それから24kmまではどんどんアシスト比率が下がるようになっている。

 

時速24kmからは普通のママチャリよりも巡航を維持するのが困難。それは、ただでさえ重たいママチャリに電池+モーターのせいで重量が増しているため。サイクリングや遠出を考えている人は考慮しないこと。バッテリーが切れたら、ママチャリよりも鈍足な乗り物になる。

 

それじゃあどんな人に向いているかというと、自転車で極力体力を使いたくない・使えない人向け。例えばお年寄りや観光客など。そんなにスピードを出さないだろうし、あまり体力も無い人、体力を使いたくない、楽したい人に関してはウッテツケだ。

 

※電動アシスト自転車と電動自転車の違い(2010/3/5 追記)

世間一般的に、電動自転車というと電動アシスト自転車のことを意味する場合がある。
アシストではない電動自転車とは別名フル電動とも呼ばれ、モーターの力だけで全て走る自転車である。基本的には自転車をこがなくても前に進む。
このフル電動は法律上、原動機付自転車と同じ扱いとなり、ナンバープレートの取得、ウィンカー、テール、速度メーターの装着、自賠責への加入、運転免許、走行時のヘルメット装着など原付と変わらない。

つまり、普通の自転車じゃないので歩道を走ることは許されない。

自転車と名前が付いているが、フル電動は歩道を走れる自転車じゃないことを理解しておくといいと思う。多分、上記の面倒な理由により公道で走る電動自転車はあまりみないと思う。
(もし見かけたら違法かもしれない。)

法律上とても面倒な電動自転車だが、同じような原付と比べるとエンジンが無いので環境にはいいと思う。メンテンスは必要だと思うがガソリンに依存しないという点も評価できる。



サイクリングをするならぜひともママチャリ以外の自転車に乗ってほしい。ママチャリとは別次元の乗り物であることにビックリするはずである。ママチャリは 荷物を乗せて運ぶために自転車が本来持っていた走行性能を捨ててしまった乗り物だからだ。(ただし、マウンテンバイクはスピードという観点からすれば(車 重が重たいため)ママチャリと大して変わらないので除外する)

 

ホームセンターの自転車


自転車を買うというと、最近はホームセンターで買う人が多い。大型のホームセンターや某黄色いドン○・ホーテ等では1万円を切る値段で自転車が売られている。自転車屋さんで買う自転車が2~3万円なのに対し、なぜこんなに安いか?
これはコストを最低限に抑え、人件費の安い中国などで生産 しているためである。これら自転車は粗悪品と呼ばれ、強度や耐久性に問題がある場合がある。少し前に走行中にフレームが破損するという自転車にあってはな らない事故も発生している。
 

ホームセンターのマウンテンバイク?


一方ホームセンターで見かける実売1万円~3万円程度のマウンテンバイクは実はマウンテンバイクではない。
俗に「マウンテンルック」、「マウンテンもど き」、「なんちゃってマウンテンバイク」と呼ぶ。実際車体には「悪路を走行しないでください」とのシールが貼られてあって、悪路を走ることが禁止されてし まっている。これは技術力のない中国メーカーが日本企業の依頼を受けて作っているもので、フレームに十分な強度がない(ママチャリと変わらない)ためこの ようにな注意書きがある。本格的な自転車を買おうと思っている人はこういった自転車を買わない方が良い。
ちなみに最近はクロスバイクブームを受けて、クロスバイクルックなる自転車を多く見るようになった。クロスバイクルックは見た目はクロスバイクだが、フ レームは格安の鉄を使うため車重が重くなり魅力の一つである「軽快な走り」をすることができなく自転車本来のポテンシャルを味わうことができない残念な乗り物である。さらにはロードバイクがブームになりだしたのをきっかけに、ロードバイクルックなるもの登場しているようだ。
以下にルック車と本物の違いを列挙する。


・悪路走行禁止シールが貼ってないか
・車輪はクイックリリースというレバー形式になっているか
・値段が極端に安くないか(3万円以下は怪しい)
・ロードバイクの場合は、重量が重すぎでないか?(ロードバイクで12kg以上はルックと思って良い)

 

通販の自転車


最近はネットショップが流行り、当然自転車もネットで購入できる。ネットだと送料を入れてもホームセンターより安いこともある。
しかしながらここで売られている安い自転車は、ホームセンターで売っている自転車と変わらない粗悪品である。

それに本来自転車は、定期的に整備が必要な乗り物であり、通販で買うとその整備を行うには自分で行うか、自転車屋さんで行うことになる。
知識のある人間が買うのなら問題ないが、自転車屋さんに持って行って整備をお願いするといくら手間賃がかかる。それなら自転車屋さんで購入したほうがメンテンスは大抵無料だし、乗り方等もきちんと教えてくれる。

ゆえにネットで自転車を買うのは初心者にオススメしない。

 

自動車メーカーの自転車


ネットで自転車を探していると、有名自動車メーカーの名前のついた自転車を発見した人も少ないくないと思う。
実はあれは粗悪品の仲間に入ることが多い。
その真意は日本企業が中国に委託して、自動車メーカーからライセンス料をもらってブランドを付加しただけの自転車で、ブランドのない(粗悪)自転車よりも少し高くなっている。もちろん委託された中国メーカーは技術力のない会社が殆どで粗悪品しか作れない。
以下にブランドごとに調べてみた。

 

・JEEP
→RV車を得意とする自動車メーカー。その自転車(マウンテンバイク)はさぞかし悪路走行が得意・・・と思いきやあの「悪路走行禁止シール」が自転車に貼ってある。残念ながらなんちゃって自転車。

・HUMMER
→同じくRV車を得意とする自動車メーカー。やっぱりこれもなんちゃって自転車。こんな粗悪品でオフロードを走るもんなら、フレーム強度が耐え切れなくて最悪フレーム中央からポッキリ折れて大事故に・・・
某イ○バ物置なら「100人乗っても大丈夫」なのに、HUMMERの自転車は大丈夫じゃない。生命に関する重大な事実であるので、十分注意してほしい。

Jaguar
→イギリスの高級自動車メーカー。だけどなんちゃって自転車。

・Chevrolet
→これもなんちゃって自転車。

・Rover (Land Rover)
→残念ながらなんちゃって自転車。

・プジョー
→フランスの自動車メーカー。映画TAXIで改造プジョーが活躍したのが記憶に新しいが、実は自転車に関しては100年以上の歴史を持つ老舗メーカー。1980年代まで製造を行い、ツール・ド・フランスでも活躍していたが、その後商標権をサイクルユーロップ社に賞与。1990年代に入って自転車市場が復活の兆しを見せた為、1990年代末に復活。きちんとした自転車メーカー。
ただし、物によっては注意。

 

 ここではなんちゃって自転車を酷評しているが、別に全てが悪いわけではない。これら自転車のことをよく理解して購入する分(例えば、ママチャリと同じような使い方しかしない、本格的なものは要らない、デザインが気に入った等)には問題ない。
問題なのは、こういう粗悪品を本物のスポーツタイプの自転車だと思って購入し、その性能の悪さから「やっぱり自転車ってこんなもんだったか」と誤解されてしまうこと。これら粗悪品は見た目だけで本来の自転車の機能を持ち合わせていない。せっかく自転車に乗ろうとしたのに、自転車を誤解してしまって乗らなくなってしまう。非常に残念な話である。
こういう粗悪品を作るメーカーには、これら粗悪品が日本の自転車文化の阻害になっていることに十分気づいてほしい。

 

ちなみに全ての自動車メーカーブランドが粗悪品ではない。ベンツ、BMW、ポルシェ、フェラーリは自社生産か、ヨーロッパのきちんとしたメーカーに生産を委託して作られた立派な自転車である。ただ、値段は非常に高い。

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